全部知っている?いろいろあるタバコの種類と特徴

タバコといえば、パッケージに入った紙巻きタバコが頭の中に思い浮かびますが、実はさまざまな種類があります。禁煙がなかなかできない人の中には、より害の少ないタバコを探している人もいるかもしれません。この記事では、日本だけでなく世界で吸われているタバコの種類やその特徴について紹介します。
1. 紙巻きタバコ(シガレット)
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タバコと聞いて真っ先にイメージされるのが紙巻きタバコです。紙巻きタバコは、細かく刻んだタバコの葉を紙で巻いてあるタバコのこと。ふつうタバコというと、紙巻タバコを指すことが多くなります。紙巻きタバコを吸う場合は、パイプなどの専用器具が不要で、火をつけるだけで簡単に吸うことができるため、世界的に最も人気があります。
現在の紙巻きタバコの多くには、吸い口部分にフィルターがついており、喫煙による有害物質の吸い込むのを低減させる効果があります。また、銘柄によってニコチンが軽いものやメンソールなどの香料入りなどさまざまなタイプの紙巻タバコがあります。
2. 葉巻きタバコ(シガー)
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葉巻タバコはタバコの葉を巻いたタバコのこと。お金持ちのイメージ図として、葉巻きタバコがセットになって描かれることがありますが、実際に葉巻きタバコは、1本あたりの値段が数千円で、タバコの中でも高価な部類になります。その理由は、葉巻タバコは、数枚のタバコの葉から1本ずつ、職人によって手作りで製造されているため。
葉巻タバコは紙巻タバコのように刻んだ葉を使用していないため、独特の香りや煙を味わうことができます。一方で、紙巻タバコの愛煙家でも、葉巻タバコの煙を嫌うことがあるそうなので、葉巻タバコを吸うときはよりマナーに気をつけたいところです。
3. パイプ
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実際に見たことはなくても、喫煙道具として思い浮かぶ人が多いパイプタバコ。パイプタバコは欧米を中心に広がった喫煙スタイルです。葉巻タバコと同様にリッチな人が吸っているイメージがありますが、葉巻タバコと異なる点は、実際のコストはそれほどかからないという点。
パイプタバコはコツが掴めれば、低温燃焼させることでおいしく吸えるといわれていますが、タバコの葉を入れるのにもテクニックが必要で、初心者では火種を維持させるのも難しいとか。理由としては、パイプタバコには助燃材が入っていないため、空気の流れが止まると火が消えてしまうため。そのため、パイプタバコを吸うときは、口で煙を吸ったらふかすのではなく、煙を吐き戻すして、火種を維持します。
4. キセル
タバコの葉をのせる火皿から吸い口部分までが細い管となっている喫煙道具のキセル。日本でも江戸時代から明治時代によく使用されていたものですが、現代でも一部の愛好家で親しまれているそう。キセルはタバコの葉をのせる火皿が小さいため、一回吸うための持続時間は数分程度になります。キセルでは紙巻タバコのように、勢いよく肺に煙を吸い込むという方法ではなく、ふかしながら口で少しずつ煙を吸っていきます。
5.手巻きタバコ(シャグ)
手巻きタバコは、自分で専用の巻き紙でタバコの葉を巻いて吸います。手巻きタバコはシャグとも呼ばれており、自分の手で直接タバコを巻いたり、専用の器具を使用して巻くこともできます。手巻きタバコはフィルターがないため、ふつうのタバコと比較して、より健康に悪そうと気になる人もいるかもしれません。しかし、最近では手巻きタバコに装着するためのフィルターも販売されています。
手巻きタバコは、自分の好きな葉や好きな巻き方で楽しめるだけでなく、紙巻タバコよりもコストが安いというメリットがあります。
6.水タバコ(シーシャ)
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水タバコはイスラム圏で発展したタバコで、専用の器具を使用して、炭で熱したタバコの葉から出た煙を、ガラス部分にある水を通し、ホースの先端から煙を吸います。なぜ水タバコでは、煙をわざわざ水の中に通すかというと、次の理由があります。
- タバコの煙に含まれている不純物が取り除かれ、味がまろやかになる。
- タバコの煙が冷却され、さわやかになる。
水タバコは有害物質がろ過されていることから、健康への害が少ないという思う人も多くいますが、ニコチン1.7倍、タール46.4倍、一酸化炭素6.5倍(※1)とふつうのタバコよりも有害物質が多く含まれていることが分かっています。
7.電子タバコ
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電子タバコはタバコの葉や液体を、筒状の専用器具を使用して加熱して、蒸気を吸うものです。電子タバコは新しいタバコとして注目されており、日本でも取り入れている人が見られます。禁煙対策のひとつとして電子タバコを推奨している国もあり、日本でも電子タバコの売り文句には、「ふつうのタバコよりも害が少ない」というものがあります。
しかし、最近になって、電子タバコの商品によっては、規定以上の有害成分が検出されたり、海外でも健康被害が報告されています。ふつうのタバコから電子タバコに切り替えることは、必ずしも健康のリスクを下げるものではない可能性があります。そのため、禁煙目的で電子タバコを吸おうと考えている場合は、注意が必要です。
8.噛みタバコ(スヌース)
噛みタバコは、口の中の粘膜からニコチンを吸収させる方法です。噛みタバコは、タバコの葉を噛むというわけではなく、板状のものから錠剤タイプにしたタバコを口の中に留めておくことで風味を楽しみます。噛みタバコを口にしているとき、だ液にもニコチンが混ざっていますが、水に溶け込んだニコチンは、吸収率が高いため中毒症を起こしやすく、だ液ははき出さなければなりません。
噛みタバコは煙を出さずにタバコを楽しめることから、アメリカのスポーツ選手など世界でも愛好家がいまます。日本でも一時流通はしていたものの、だ液をはき出すスタイルが合わなかったためか、定着には至りませんでした。なお、嗅ぎタバコが一回分ずつ個装分けになっているものを、スヌースと呼びます。
噛みタバコは、口の中に直接有害物質が触れる状況であり、口腔がんや舌がんなどのリスクが懸念されています。口腔がんは命にかかわるだけでなく、人によっては、口腔がんにより顔の一部を切除しなければならないケースもあるものです。
9.嗅ぎタバコ
嗅ぎタバコは、主に鼻から粉末状のタバコを吸いこんだり、指につけた粉末を鼻の穴につけることで、香りを楽しみます。噛みタバコと同様に、火をつけるタイプのタバコではないので、紙巻タバコによる受動喫煙のように、他人に迷惑をかけることはありませんが、日本ではあまり定着していません。嗅ぎタバコは一般的に鼻から吸うやり方が、いわゆる麻薬を吸う方法と似ているので、吸うときには周囲への配慮に気を遣った方がよいでしょう。
嗅ぎタバコなど煙の出ないタバコには、売り文句として「ふつうのタバコよりも害が少ない」と謳われることもあります。しかしながら、嗅ぎタバコも噛みタバコと同じように、口腔がんや歯の病気など健康リスクがあることは変わりありません。
10.まとめ
タバコといっても、喫煙スタイルの違いによりさまざまな種類があります。ただし、、煙が出る出ないにかかわらず、どのタイプのタバコにもいえることですが、タバコを吸うことは身体の有害物質を取り込むことに変わりありません。より害の少ないタバコを選ぶことも大切ですが、健康のことを考えるのなら禁煙が一番。今までタバコをやめることを考えていなかった人も、まずは禁煙に目を向けてみてはいかがでしょうか。
引用:
※1:THE HUFFINGTON POST 「水タバコは害が少ない」は本当か? アメリカの若者に流行 http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/11/hookah-smoking-among-teens-on-the-rise_n_5667094.html