タバコで肌が老けるのはなぜ?喫煙中にもできる対策も紹介します

タバコを吸っている人の中で、最近なんとなく肌の調子がよくない…と感じることはありませんか?タバコを吸うことは、健康だけでなく美容にもじわじわと影響を与えます。今回は、タバコが肌に与える影響について解説いたします。
1.タバコが肌に与える影響
タバコを吸っている人と吸っていない人では、肌の調子だけでなく、肌の若々しさにも影響を与えるということをご存知でしょうか。タバコを吸うと、次のような肌トラブルが起こりやすくなります。
- シワ
- シミ
- くすみ
- たるみ
上の肌のトラブルは、加齢による肌の老化にもみられるものと同じだと気づいた人も多いでしょう。タバコを吸うと、肌の老化を早めることが分かっています。
2.喫煙が肌に悪いのはなぜ?
喫煙が肌に悪い影響を与えるのは、タバコに含まれている成分にあります。タバコには非常に多くの化学物質が含まれており、その中には発がん性物質などの有害物質も含まれます。肌に影響が考えられるタバコの成分には、次のものがあります。
・ニコチン
ニコチンはタバコに含まれている依存性のある物質です。血管を収縮させる作用があるため、顔全体に血行が悪くなり、顔色が悪くなったりする原因に。
・一酸化炭素
一酸化炭素は血液中の酸素と結びつきやすく、血液が酸素不足の状態になります。肌などの細胞には、十分な酸素と栄養が必要になりますが、
上記の2つのタバコの成分は、よく知られているものですが、そのほかにも次のような成分が含まれています。
- アセトン ペンキ落とし
- ヒ素 殺虫剤の成分
- ブタン ライター用の燃料
- DDT すでに使用が禁止された殺虫剤の成分
- ホルムアルデヒド 防腐剤
- シアン化水素 毒ガス
- フェノール トイレの消毒剤
これらはほんの一部の例ですが、明らかに肌や健康に悪そうな物質ばかりですね。タバコは毒物の固まりだということが分かります。
3.喫煙すると、どんなことが肌に起こる?
タバコを吸うと、体内では次のことが起きて、肌への影響を与えます。
(1)活性酸素が増える
活性酸素は身体のサビともいわれており、細胞を傷つけて、老化を進める成分です。タバコを吸うことで増えることが分かっており、肌の細胞が破壊されて、シワやたるみといった肌トラブルの原因になります
(2)ビタミンCが消費される
1本のタバコを吸うと、25㎎~100㎎のビタミンCが消費されるといわれています。ホワイトニング化粧品にもよく含まれている成分であるビタミンCに、美白作用があるのは多くの方が知っているのではないでしょうか。
しかし、タバコを多く吸うことでビタミンCが消費されていまい、シミや肌のくすみの原因になります。実際に、タバコを吸う人では吸わない人よりも、5歳分もメラニン色素が多いという調査結果もあります。
(3)タンパク質を分解する酵素が増える
肌のハリは、角質にあるコラーゲンやエラスチンといった繊維状のタンパク質によって、肌のハリは保たれています。タバコを吸うと、これらのタンパク質を分解する酵素が作り出されます。
コラーゲンなどの繊維状のタンパク質は一度損傷すると、回復することは難しいものです。肌のハリが失われるだけでなく、シワやたるみなどもできるように。
4.スモーカーズフェイスって知ってる?
引用(※1)
タバコによる老け顔のことを、スモーカーズフェイスと呼ばれています。年を重ねることでも、シミやシワなどの顔の老化は見られますが、スモーカーズフェイスでは年齢相応ではない、老け顔に。
スモーカーズフェイスの比較によく用いられるのが、比較写真です。上の写真の2人の女性の年齢差はいくつだと思いますか?実は彼女らは、同じ年に生まれた双子。
同じ年齢で、同じ遺伝子を持つ双子同士でも、喫煙習慣があるかないかの違いで、大きな差ができるのです。
5.美肌を目指すのなら、まずは禁煙から
タバコを吸うたびに、肌が老けていくのを想像すると怖いですよね。実際に、同年代の人と比べて、シミやシワ、たるみが気になるようになった…という人もいるのではないでしょうか。
タバコを吸っている人で、肌の老化に悩んでいる人に、ぜひ挑戦してほしいのが禁煙です。実際に、一度できたシミやシワは改善は難しいですが、禁煙後は血行がよくなるので、肌の調子が良くなったという人も多くいます。本来の肌の健康を取り戻すためには、タバコをやめることが大切です。
6.禁煙以外の対策方法を紹介します!
タバコによる肌トラブルを防ぐには、禁煙が一番であることは分かってても、なかなか実行に移せない人もいるかもしれません。喫煙中の美肌対策には次のものがあります。
・ビタミンCなど抗酸化作用のある食品を取る
タバコを吸うと活性酸素が増えて、ビタミンCが消費されるなど、肌のエイジングが加速します。タバコを吸う度に消費されるビタミンCは、意識して食べ物から補うようにしましょう。
ビタミンCというと、レモンを思い浮かべる人も多いのですが、そのほかにも野菜や果物にも豊富に含まれています。また、ビタミンCのほかにも、ビタミンEなど抗酸化作用のある食品も意識して取るようにしたいですね。
・肌の保湿をしっかり行う
肌には、細菌や紫外線などの外部刺激から守るバリア機能の役割があります。このバリア機能のカギとなるのが、肌の水分量です。潤いのある肌は、細胞同士がきっちりと整列しているので、バリア機能が高くなります。
きれいな肌を保つためには、肌の乾燥を防いでしっかり保湿を行うようにしましょう。
・紫外線対策を行う
紫外線が肌の乾燥やシミ、老化の原因になることが分かっています。最近では、日焼け止めや帽子などの紫外線対策をしっかり行う人も増えていますね。
ひと昔前までは、日光に浴びると体内でのビタミンDの生成が進むことから、太陽の光を浴びる健康法もありました。ちなみに、日光を10~15分程度浴びればこの効果を得られます。
タバコを吸っている人では、ベースとなる肌を取り巻く状況も悪い傾向にあるので、肌の老化を進めないように、しっかり紫外線対策を行いましょう。
・睡眠をしっかりとる
肌をはじめとする体の細胞は、成長ホルモンの分泌が増える夜の寝ている間に生まれ変わります。以前までは、「夜の10時から2時が、お肌のゴールデンタイム」といわれていましたが、これは半分正解。
成長ホルモンは、この時間帯に分泌するというのではなく、眠りに入ってから3時間後である深い眠りのときに最も多く分泌することが明らかになっています。その後も、睡眠リズムに合わせて、ホルモンの分泌は増えたり減ったりするので、ある程度まとまった睡眠時間を確保することが大切です。
心身ともにベストな睡眠時間は7時間とされていますが、個人差があるので、自分の体調と相談しながら、睡眠時間を調節しましょう。
・揚げ物やアルコールを控える
タバコを吸うと、身体のサビである活性酸素が増えますが、古い油やアルコールでも活性酸素は増えます。揚げ油は、加熱後から酸化が始まります。揚げ物を食べるのなら、コンビニやスーパーに長い時間置かれたものではなく、その場で挙げた物を食べるようにしましょう。
7.まとめ
いかがでしたか?喫煙は健康だけでなく、肌などの美容面でも悪影響を与えるものです。年を重ねるにつれて、肌の状態が低下していくのは仕方のないことですが、少なくとも年齢相応の美しい肌を保ちたいですよね。肌などの美容にも関心が高い人で、現在喫煙しているのなら、まずは禁煙を考えてみてはいかがでしょうか。
引用・参考:
・※1:松岡多香子ほか / 女性とタバコ / http://square.umin.ac.jp/nosmoke/text/1-12female_tobacco.pdf